人気ブログランキング | 話題のタグを見る

昇るオリオン座/午前3時  2023年8月29日

中国最古の詩篇「詩経」の国風(中国諸国の民族歌謡詩)に『七月流火』という文言があります。

「火」あるいは「大火」は、さそり座の主星アンタレスのことで、夏の象徴的星座である「さそり座」が日増しに西の空へ傾いてゆくさまを詠んだもので、夏の終わりが近づき秋の訪れをあらわした詩句です。

そして、さそり座が完全に沈んだ深夜、冬の象徴的存在の星座「オリオン座」が東の空に昇ってきます。この時期、日中は炎天下であっても天界は徐々に秋に向かってゆき、やがて冬が訪れることの真実を、深夜にオリオンを見るたびに思い起こします。

人間界とは何のかかわりもなく、地球は廻り、星空は移り変わって行くという真実。
昇るオリオン座/午前3時  2023年8月29日_d0163575_07515951.jpg
           オリオン座 2023年8月29日 自宅にて2時58分撮影/30秒露出

画面中央、縦一列に並んだ三星が猟師オリオンの腰のベルトに当たります。 深夜と言えども我が家周辺は町明かりが中天まで届いて、星は見づらい環境です。

オリオンが出て大いなる晩夏かな 山口誓子

by iruka-boshi | 2023-08-29 07:52 | 星の本・資料/星空 | Comments(2)
Commented by 雨蛙 at 2023-08-30 07:55
オリオンは冬の季語ですね。そうかすでに真夜中に現れているんですね。  葦原のねぐらに集まる2万のつばめを待っているとき、東の空の雲の中にぼんやりと大きな月が見えていました。来月になれば南下が始まるという。おおまがときの空を、沢山のツバメが乱舞しそして葦原に消えていきました。31日は大きな大きな満月がツバメのねぐらを照らすことでしょう。ちなみにツバメ去るは秋の季語。
Commented by iruka-boshi at 2023-08-31 04:41
コメントを有難うございます。
スーパームーンを背景に乱舞するツバメたち、壮観でしょうね。

我が家近辺はここ数年ツバメをあまり見かけません。巣を掛ける場所や餌となる小虫が減少しているのでしょうか。

私の実家は、野菜・果物、そして昔ながらの駄菓子屋さんです。季節の移り変わりは、天上界はもちろんのこと、店頭の野菜や果物でも強く実感します。駄菓子もそうです。夏はゼリー類が増え、これからの季節はチョコレート菓子類が増えます。天も地も季節は動いています。