市立名古屋科学館 案内パンフレット 昭和38年/39年
工事は一期と二期に分かれ、第一期工事はプラネタリウムを中心とした「天文館」の建設で昭和35年12月に着工され、翌37年10月に竣工されました。開館日はこの年11月3日の文化の日となっています。
続く第二期工事は、地下2階・地上9階・塔屋3階の本館工事で、完成は昭和39年10月、開館日は11月1日です。
下の画像は第一期工事完了後に作られた案内パンフレットで、発行は昭和38年1月です。
本文1ページ目は原子力展示室のマジックハンドの実演に見入る子供たちの写真、2ページ目に科学館の概要(建築面積・電気設備・空調設備等)が記され、次のページに科学館全景の写真が掲載されています。
4・5ページは「1階原子力展示室」の展示品写真と展示品一覧表で、その一部を書き出すと、CP-5型原子炉/コールダーホール型原子炉/増殖型原子炉/沸騰水型原子力発電所模型/アイソトープとは何か/ベーター、ガンマー線実験装置/原子力利用と諸産業、等々です。
6・7ページは「2階宇宙天文展示室」の展示品写真と展示品一覧表で、天球儀/ロケットの原理/各種人工衛星(8組)/月の世界/ラッセル図表/パロマ天文台及び200吋望遠鏡/銀河系と島宇宙、等々25種類の展示品名称が記載されています。1階・2階ともに展示品作製は「中部科学技術センター(日本科学技術振興財団の中部地方本部)」です。
8・9ページは「3階プラネタリウム」の説明で、カール・ツァイス社製であることや購入費が6千5百万円掛かったこと、解説及びバック音楽用のスピーカーを周囲に10本、中央に4本配置していること、天井のアルミニューム板に特殊塗装してスクリーンにしていること、等等々が書かれています。
10ページは設置された「ツァイスⅣ型投影機」の各部名称と機能説明に当てられ、11ページにはシーロスタットの光路図が掲載されています。
12・13ページは各階詳細平面図、14ページの最終ページは開館時間や観覧料などの案内と第二期工事の概要が記されています。
名古屋科学館のツァイスⅣ型は昭和37年11月3日のプラネタリウム開館以来、平成22年8月31日まで現役稼働していました。
下の画像は、「日本のプラネタリウム一覧/全国プラネタリウム連絡協議会発行(1977年)」に掲載された市立名古屋科学館プラネタリウムの活動状況等です。
右上端の館長名「佐藤知雄氏」は東北帝国大学教授や名古屋工業大学学長などを歴任した金属工学者で、名古屋市科学館館長には昭和47年に就任しています。
次は二期工事終了後に作られた案内パンフレットです。
1ページ目は「科学館のシンボル『創造』のオブジェ」のイラスト、2ページ目に科学館の概要、3ページ目科学館全景写真となっています。
下の画像は「1階 最新の科学技術」の説明ページで、展示品写真は上から「電子顕微鏡」「宇宙通信のしくみ」「ジェットエンジン」です。
4ページから13ページまでは本館各階の展示品写真と展示品一覧と説明、14・15ページに「天文館(2階宇宙天文/3階プラネタリウム)」の説明、15ページにプラネタリウム開演時間・観覧料・休館日などの案内が載っています。裏表紙の裏の最終ページは全館案内となっています。
展示品名は省いて各階の名称のみ下に記します。
天文館-地下2階 機械室
地下1階 中部科学技術センター/会議室/食堂
1階 事務室/小ホール
2階 宇宙天文
3階 プラネタリウム/シーロスタット
本館-地下2階 倉庫
地下1階 楽しい実験室/図書室/物理化学実験室/会議室
1階 最新の科学技術
2階 家庭の科学
3階 交通の科学
4階 化学と熱
5階 力と機械
6階 光と音
7階 放送と通信
8階 電力と原子力
9階 気象と防災
塔屋1階 休憩室/売店
塔屋2階 展望室
塔屋3階 機械室
屋上 望遠鏡ドーム
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市立名古屋科学館 案内パンフレット(第一期工事後)
昭和38年1月20日発行
市立名古屋科学館編集
弘益印刷株式会社印刷
20.5×18.5cm/16ページ
市立名古屋科学館 案内パンフレット(第二期工事後)
昭和39年12月10日発行
市立名古屋科学館編集
21×19cm/17ページ