ジョン・ヒルの星座 (その2)

しかしこの星座絵ではセンザンコウのほうがトカゲにみえますね。トカゲ座のほうはどう見ても犬かキツネのようです。
因みにヘヴェリウスの星図ではトカゲ座はこうなっています。

「古代の牡蠣座」は「Gryphites」と表記されていますので正確には「中生代グリフェア科の牡蠣化石座」または単に「牡蠣化石座」とするべきかもわかりません。
ジョン・ヒルは化石についての本を出版しているほどですから、化石の星座を創りたかったのでしょうが、それにしても現世種の食用牡蠣ではなく化石の牡蠣を持ってくるところはやはり彼は皮肉屋さんなのでしょう。一般的には食用牡蠣のほうが馴染み深いでしょうから。
グリフェア科の殻頂(蝶つがいの先)はクルッと丸まっているのが特徴のようですが、この星座絵もそのように描かれています。
亀座は英名Tortoiseとなっていますので、「陸亀座」のほうが良いかもわかりません。
次は「蛇使い座」と「天秤座」「さそり座」に囲まれた「スカラベ座」です。英名は「Rhinoceros Beetle」ですので「カブトムシ座」かもわかりませんが、星座絵を見ているとそれではどうもスッキリしませんので、そのまま「スカラベ座」としておきます。この画面の右端にも「Bufo」がいます。

誠文堂新光社の全天恒星図2000より、スカラベ座に当てられている場所を示します。さそり座のχ星・ξ星・ψ星付近で4~5等星の目立たないばかりですが、スカラベの形は単純ですので星空に姿を思い描くのは簡単のように思われます。

つづきます。

