第2版 反射望遠鏡の作り方/星野次郎 昭和49年

反射望遠鏡の筒先から鏡面を覗き込む、というかなり大胆な構図の表紙が眼を引きます。

その表紙の最上部に「天文ライブラリー6」とあり、その下に「第2版」とあります。
奥付は「第2版」ではなく、「新版」となっていますが、これは同じ題名の本が同じ著者から同じ出版社によって昭和41年に出されていることによります。

しかし、昭和41年発行の「反射望遠鏡の作り方」は総数217ページに対し、「第2版」は369ページと大幅に紙数が増えていることからも想像できるように、この昭和49年版は先に出された本の改訂版というよりは、「新著」というに相応しい内容となっています。
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表紙写真は、田坂一郎氏の「53cmフォークタイプ赤道儀」
マウンティングも鏡面もすべて自作。鏡材は、小原光学のE3使用、F6鏡。

「第2版」が刊行された当時の広告をそのまま一部を転記しますと、

『10数年来、好評読まれ続けられた同書名のものを、全面的に書き改めた新版。ひたすら製作法のみにしぼり詳述した。対象はアマチュアの初歩より、相当高級なものまで含め200数葉の写真、設計図にて解説。(後略)』。

[10数年来]と書かれているのは、昭和32年に同著者・同出版社より「望遠鏡の作り方(中学天文教室13)/212ページ/B6版」が出されていることを意識したのかもわかりません。
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小島信久氏の「31cmF5 自作ヨークタイプ赤道儀」/同架鏡は21cmF3.8鏡。右の望遠鏡は、藤田久男氏の「20cmF7 スプリングフィールドタイプ赤道儀」/鏡面製作は、木辺成麿氏。

本書の副題に「設計・鏡面研磨・マウンチング」とあるように記述をこの三つに大きく分け、豊富な作例写真と精密な図面を添えて各章を詳述しています。

また、大別した三つのほかに「研磨機とその使い方」の章も設けられ、ここも詳述していることなどは、「反射望遠鏡の作り方」が徹底して自作者の立場に立って書かれていることを伺わせている証左と言えます。
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第Ⅳ章より、「カセグレン主鏡セルと接眼部」

鏡面研磨・マウンチング製作の詳述ぶりもさることながら、第Ⅳ章の「反射鏡使用各種望遠鏡の設計と製作」も本書の充実さを印象づけています。

取り上げられている鏡系は、「カセグレン、ドール・キルハム、グレゴリー、シュミットカメラ、ライト・フェイセレ、マクストフ、ブラキタイプ」の7種で、いずれも光学構成図と光学設計式が付いています。

「反射望遠鏡の作り方/星野次郎」は、自作を計画している方のみならず、望遠鏡に興味をお持ちの方すべてに手にとって頂きたい1冊です。作例の望遠鏡と詳細な図面を見ているだけでも充実感を覚える名著といえるのではないでしょうか。

長い間絶版でしたが、2009年に復刻版が恒星社厚生閣より出されたこともうなづけます。
復刻版には新たに中野繁氏の「私と星野鏡」が加わり、他に鏡材メーカーなどのデータが収録されています。

新版 反射望遠鏡の作り方

昭和49年7月30日 初版発行
編者 星野次郎
発行者 志賀正路
発行所 恒星社厚生閣
印刷所 三省印刷・長塚印刷
製本所 誠光社製本印刷KK
15.5cm×21.5cm/369ページ/定価2500円
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by iruka-boshi | 2012-01-15 10:00 | 星の本・資料 | Comments(0)