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神田天文学会総報/日本天文研究会総報

昭和21年1月1日付けの「神田天文学会総報46号」で「本会名称変更ノ提案」がなされています。

理由として、「本会ノ名称ハ決戦下我学界ノ混沌タル時ニ当リ 天文ノ報導普及機関トシテ暫定的ニ決定シタモノ(後略)」であり、現状では名称が不適当であるためとのこと。

そして、来る1月13日の第3回例会で協議したいので出席される方は書面で意見を述べてください、とあり、神田氏個人の考えとして「新日本天文研究会」の名称を挙げています。

第3回例会の記事は昭和21年1月14日付けの「神田天文学会総報48号」に載っていますが、今回は地方会員の提案来信が少なかったので決定に至らず、次回に持ち越しだそうです。

なお、この時の出席者は、小山ひさ子、祖父江久仁子、祖父江久男、鍵山寛子、冨田弘一郎、斎藤馨児、原恵、小田幸子、大谷豊和、赤坂陽、島内剛一、石橋正、瀧山昌夫、前田大作、田中襄二、海老原勇夫、森武夫、太田彬、大崎正次、廣瀬秀雄、下保茂、竹内泰子、三好敏實、大矢眞一、村山定男、栗原正雄、神田茂の諸氏。

因みに昭和20年12月末日の会員数は67名です。また、第3回例会では午前中の研究報告発表の後、食事及び懇談に入り午後1時20分より野尻抱影による「プレアデス星団と自然暦」の講演が行われています。

名称変更のほうはどうなったかと言うと、昭和21年1月25日付けの「総報51号」と「総報56号」に第4回例会報告が載っていて、提出された新名称の案及び得票数が記されています。

次のとおりです。(名称の後の数字は得票数)「日本天文研究会(22)/新日本天文研究会(3)/日本天文研究者連盟(2)/自由天文研究会(1)/天文学研究協会(1)/湯河原天文研究会(1)/日本天文研究者協会(1)/神田天文学会(1)/日本研究者連盟(1)/日本天文観測者協会(1)/日本星究会(0)」

結果、圧倒的に票を得た「日本天文研究会」に決定され、昭和21年2月20日付けの「総報56号」より「日本天文研究会総報」となっています。

したがって、「総報55号」(昭和21年2月15日)までが、「神田天文学会総報」の名称となります。
それにしても「日本星究会」の得票数ゼロとは可哀相。提案した人もほかの名称に投票したんですね。
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総報73号(昭和21年4月30日付け)
4月27日、東京科学博物館にて第6回例会を開催 会務報告・協議等の後、吉田正太郎「望遠鏡の話」、神田茂「近年の天文界概観」の講演が行われた。
神田天文学会総報/日本天文研究会総報_d0163575_16525135.jpg

総報82号(昭和21年6月16日付け)
木星大赤斑の復活 「東京本郷ノ村山定男氏ニヨレバ去ルⅥ月7日夜 木星大赤斑ノ復活発見ノ由、コレハ1936年ニ一度復活シテ後 又消失シテヰタモノデ 現在美事ニ見エテヰル」(村山氏写生の模写)
by iruka-boshi | 2011-11-04 16:53 | 星の本・資料 | Comments(0)