梅雨入り/志ん板はんじえもとの月日(絵暦)/2011年5月28日
しかし、私の住む九州北部はまだ梅雨入り宣言は出ていません。
連日、けっこう雨が降っているのですが。
今年の梅雨入りは各地とも例年より10日前後早いようです。現在、九州北部で降っている雨は台風2号による梅雨前線刺激のためと思いますので、2~3日後には止むことでしょう。その後に梅雨入りでしょうか。
九州北部の梅雨入りの平均日は6月5日ですので、このままでいくと例年と大差ないようです。
梅雨入り・梅雨明けは、今も昔も変わらずに大きな関心ごと。違うのは現在ではある程度予測がつくが、昔は経験値に頼らざるを得なかったこと。
そのひとつの目安として、「雑節」と呼ばれるもののなかのひとつに「入梅」がつくられ、あらかじめ期日を決めていたこと。一般に「雑節」は九つ定められていて、「八十八夜」や「土用」「二百十日」なども雑節です。
旧暦では「芒種」の後の最初の壬(みずのえ)の日を梅雨入り、小暑の後の最初の壬の日を梅雨明けとしていました。芒種は二十四節気のひとつで稲や麦などの種蒔きをする頃のこと。毎年6月5~6日頃にあたります。
「小暑」も二十四節気のひとつで、梅雨が明け、本格的な暑さが始まる頃とされています。毎年7月7~8日頃にあたります。
その「梅雨入り」の日を示したのが下図の「志ん板はんじえもとの月日」、いわゆる絵暦の「入梅」です。昭和11年版の一部を拡大したものですが、この日は4月22日に当たります。もちろん旧暦です。ちなみに「入梅」の右は「八十八夜」で、左は「半夏」の期日です。なんでこの絵がこうなるかはちょっと置いといて、「入梅」について。
この判じ絵は非常に簡単。「盗賊が荷を奪って」この日が「入梅」です。日にちは、さいころの目四つで4月、重箱二つで20、それに2で4月22日。
同じように「八十八夜」は、鉢(はち)に重箱と矢で「八十八夜」となります。日にちは3月12日でこれも簡単な判じ絵です。さいころの横の股は「また3月」で閏月です。「半夏」は禿頭で表しています。
下図は絵暦の全体で大きさは24×32センチの和紙片面1枚刷りです。
「志ん板はんじえもとの月日」
昭和十年十月二十日印刷
同年 十月二十日出版
著者発行併印刷者 盛岡市馬場小路一番戸 阿部志保
(つづきます)