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週刊朝日 緊急増刊 人工衛星 昭和32年(その3)

この「緊急増刊」では打上げに使用されたロケットは多分こんなんだろうなぁ、という想像図が載っているだけですが、実際は、R7型大陸間弾道弾を元にセルゲイ・コロリョフらによって開発されたスプートニクPSロケットが使用されました。
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同号76ページより「月へ向うロケット」小松崎 茂・画

スプートニクロケットはスプートニクPS(8K71PS)とスプートニク(8K91)の2種類が開発され、8K71PSによってスプートニク1号(10月4日)と2号(同年11月3日)が打上げられ、翌1958年5月に8K91によりスプートニク3号が打ち上げられています。(8K91による打上げは1958年4月にも試みられていますが、このときは失敗しています。)
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人工衛星を観測する「角田妙子さん(23)」
「宇治の農家のこの娘さんは、昼は食品会社の事務員だが、夜は人工衛星の観測員として天文台で空を眺める。高校、女子大と続いた天文ファンだ。」とのこと。

「四時四十七分 光度二等の星が、高度十七・二度、北斗七星のイーター星とゼーター星の間を、北々西から西から東南に飛んだ。観測成功!」とあります。

光度2等だったということは、衛星本体ではなく、一緒に回っていたロケット最終段が見えたということでしょうね。因みに打上げ時に衛星を覆っていたキャップも周回軌道に乗っていて、こちらは光度5等、衛星本体は光度7等だったそうです。
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レンズを磨く住職「木辺成麿さん(45)」
「(前略)こんど京大花山天文台に取りつけられ、十月五日から人工衛星の観測に活躍しているわが国唯一の大型シュミット・カメラ(口径四十センチ×六十センチF一・五)をみがいたのが今までの最大のもので、ゆくゆくは少なくとも百、百五十センチのものまで作りたいという。(後略)」

写真は西村製作所にて。

週刊朝日緊急増刊号 第62巻第45号通巻第1987号
昭和32年10月28日発行
発行/発売:朝日新聞社
26×18cm/82ページ
定価:30円
表紙画:小松崎 茂
by iruka-boshi | 2010-12-11 15:14 | 星の本・資料 | Comments(2)
Commented by なつひこ at 2010-12-12 18:05 x
大きなガラス材は、やはり レンズを連想させるのでしょうか?
それとも 「鏡」は、神社だから?・・・^^
Commented by iruka-boshi at 2010-12-12 18:32
「レンズを磨く住職」のタイトルをつけた担当者は、屈折望遠鏡とか反射望遠鏡とかの区別はなかったのでしょうね。「望遠鏡すなわちレンズ」と思い込んでいるのでしょう。