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大空の神秘 文理書房発行

最初にこの本の「はしがき」の一部を抜き出します。

「この本は、さきに日本出版社から「風と光」として、出版されたものでありますが、大阪と廣島の戦災で、世に出ずに消失してしまい、著者沖吉昌登氏の消息もたえました。本社ではこれを遺憾におもって、脇坂景城氏に伝説の方面の執筆を乞い、大修正を加えて、ここに皆さんにお送りすることになりました。」とあります。

そこで調べてみると「風と光」ではなく、「趣味の理科物語 光と風」という書籍が昭和17年に日本出版社から沖吉昌登の著者名で出されていましたので、この本のことだと思います。はしがきの「世に出ずに消失してしまい」というくだりは、出版されたが広く流通する前に大部分を戦災で消失した、ということでしょうね。また、「著者沖吉昌登氏の消息もたえ」とは、この時代の混乱振りとそれに至った戦争の悲惨さをあらためて感じさせる記述で、はしがき執筆者の無念が伝わってくるようです。

沖吉昌登さんの本は「光と風」のみのようですが、共著者の脇坂景城さんは「伝説ガイド 神仏の神話と由来」や「聖書童話 赤い花白い花」など数点を確認することができました。
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脇坂さんは、本日の「大空の神秘」では、「天地がはじめてできた話」を担当し、ヘブライ神話、ギリシヤ神話、エジプト神話、日本神話などを記述しています。さて本文内容ですが、大きくわけて「太陽・月・地球はどうして出来たか」と「気象の変化」と「自然界の水」の三つです。(この稿つづきます)

(お詫びと訂正:6月24日記)
上記の文章中、<「風と光」ではなく、「趣味の理科物語 光と風」>と書きましたが、「風と光」で良い、とのご指摘を頂き、同書の背表紙には縦書きで「風と光」となっている旨のご教示をいただきました。大変申し訳なく、お詫びして訂正させていただきます。
by iruka-boshi | 2010-06-19 06:50 | いろんな本 | Comments(1)
Commented at 2010-06-24 09:46 x
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