パリ天文台の絵葉書
画面の奥の二階建ての建物が本館で、屋上のドームはのちに加えられたものの建物自体は建設当時のままの姿。
パリ天文台は、太陽王と呼ばれたルイ14世の治世下、財務を担当するジャン=バティスト・コルベールの建議により1667年に建設が着手され、1671年に完成をみた。
重商主義の立場から当時のフランスは、海外に領土を求めており、植民地政策を推し進めるために正確な地図を必要としていた。そのためには精確に経緯度を知る必要があり、「測地天文学」の充実が国家の急務とされたのです。
パリ天文台の完成はその期待に大いに応えることができ、天文台から世界各地に派遣された科学者の観測により地球が球体ではなく楕円形であることや、のちに長さの単位であるメートルの決定、さらにのちには天体力学の隆盛を得ることが出来ました。