COMETS
Edited by LAURElL.WILKENING
THE UNIVERSITY OF ARIZONA PRESS
Copyright 1982
16cm×23.5cm/733P

Taken by S.Larson from the Mt.Lemmon Observatory on 1976 March 9.5UT with an 80mm Zeiss lens.

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ウエスト彗星が肉眼的大彗星となった1976年の春、旅先のすばらしい星空の下で彗星を見る機会がありました。

早朝、まわりは人工の明かりがまったく無い真の闇が広がっていて、その中でウエスト彗星はポッカリと浮かんでいるように感じられました。

そのとき、たまたま一緒にいた知人に「彗星が出てるよ」と指差したのですが、知人はチラッと見ただけでほとんど関心を示しませんでした。ヒトはそれぞれ興味の対象が違うと理解しているものの、この無反応にはちょっとビックリしたことを覚えています。

だって彗星が出てるんですよ!

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月刊天文ガイド 1976年5月号表紙/ウエスト彗星1976年3月4日・大津達也氏撮影
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ASTRONOMY 1976 MAY ウエスト彗星特集より↑ 3月6日・7日撮影 明るさはマイナス3~2等級、扇状に広がった尾は20度以上に達していました。
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11月1日のイケヤ・セキ彗星

この日は地球から1億6000万km、太陽から8000万kmの距離にあり、尾の実長は5200万km以上だった。
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イケヤ・セキ彗星写真集(誠文堂新光社)、26ページと27ページより。

このページの彗星の撮影日はすべて1965年11月1日
頭部はからす座、尾はコップ座にある。

撮影者は左ページ上:池谷薫氏/その下の左:友松孝治氏/その右:金本修治氏
右ページ上:鈴木博氏/その下:愛媛県立松山東高校天文地学部

『尾の曲った部分の微細構造をよくみると、節のようなものがいくつかあり、彗星の頭部からの距離がどんどんはなれていくのがわかる。彗星頭部より秒速50㎞以上の速度をもっているらしい。』(28頁 11月2日の説明より)
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天文ガイド第2巻第7号 臨時増刊号 イケヤ・セキ彗星写真集
発行:誠文堂新光社
発行日:昭和41年5月20日
18cm×26cm/67ページ

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この写真集を取り出すたびに、あの遠い日の秋の朝が思い出されます。
明け方近く、眠っている私に遠いところから呼びかける母の声が聞こえます。

何かを言ってるのですが、よくわかりません。しかし、何度めかのときにはっきり聞こえました。母は「すいせいが出てるよー」と言ったのです。何度も何度「すいせいが出てるよー」と私に言いました。今でもこの写真集を開くと、あの朝の母の声が何度も何度も聞こえてきます。

「彗星が出てるよー。」


表紙写真データ:1965年11月4日 04h45mm00s
ニコンF F3.5 露出30秒 フジR100 撮影:堂平観測所(埼玉県)

イケヤ・セキ彗星写真集 目次

1 イケヤ・セキ彗星発見の意味/東京天文台 広瀬秀雄
2~3  池谷さんと自作の30cm反射赤道儀/発見時(19日4時00分)のスケッチ/東京天文台宛ての彗星発見電報
    関さんと愛機/発見時(19日4時15分)のスケッチ/東京天文台宛ての彗星発見電報
4~6  イケヤ・セキ彗星の経路図/発見事情(富田弘一郎)/軌道要素
7~11  太陽接近前の写真
12~13 太陽接近時のコロナ・グラフによる写真(乗鞍コロナ観測所)
14~15 太陽付近でのイケヤ・セキ彗星の経路(10月21日)/10月22日のスケッチ(関勉)
16~50 彗星の全貌(写真) 10月27日~11月7日
51   分裂/写真とスケッチ 11月7日
52~63 11月10日~12月31日までの写真
64   新彗星の発見事情/池谷薫
65   発見から確認まで/関勉
66~67 彗星 その形、命名、性質、軌道、起源など/東京天文台 富田弘一郎
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著者:関勉
発行:関勉
印刷:近森謄写堂
印刷日:1993年12月15日
発行日:1993年12月20日
13.5cm×19cm/208ページ

Ⅰ 関・ラインズ彗星の発見  Ⅱ 戦禍の後に  Ⅲ クロムメリン彗星を追って  Ⅳ 帰らぬ星 

裏表紙の下端に「関彗星発見30周年記念出版」と銘打たれています。
表紙の写真は、1987年にフランス天文学会より著者に贈られた「フランス天文学会100年賞」の銅メダルです。

内容構成は、新聞連載時と同じですが、「あとがき」で著者も記しているように最初の発表から30年近くたっているので、「古くなったところは適当に改め、また本文中、新たな発想の下に、書き加えた部分も可なりある」ようです。しかし各章のタイトルは、三恵書房版と比べてより内容に沿ったものとなっていて、容易に文中に入り込んでいくことができます。Ⅳ章の「帰らぬ星」は、セキ第一彗星発見までのドラマです。本文はⅣ章で終わりですが、「あとがき」は第Ⅴ章といってもよいほどの興味深い内容です。「あとがき」の文字のすぐ横に「星を見つめた四十年」の文字が添えられています。

ところで、この本は著者のサイン付きです。かなり昔、高知市内の本屋さんから購入したのですが、こちらからお願いしたわけでもないのに、著者とお知り合いということでわざわざサインを貰ってきたくださったのです。こころよくサインに応じてくださったであろう著者と本屋さんに感謝です。
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著者:関つとむ
発行:三恵書房
1973年3月10日 初版発行
定価:680円
13cm×18.5cm/236ページ

第1章 生きていた彗星 第2章 戦禍の後に 第3章 失踪星を追って 第4章 怪天体あれこれ 第5章 帰らぬ星

イイロ印刷版とおなじように五つの章に分かれていますが、イイロ印刷版の第5章「世紀の大接近」にあたる部分、つまりイケヤ・セキ彗星発見事情は掲載されていません。

かわりに第4章「怪天体あれこれ」が加わっています。イイロ印刷版の第5章は新聞連載終了後に加えられた部分なので、この「三恵書房版」は新聞連載時とおなじ体裁で作られていることになります。

また、使用されている写真も少し入れ替えています。
・・・で、本のカバーですが、表のデザインはお馴染みと思いますので、ここでは「カバー裏」を載せます。
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裏表紙にはこの本の推薦文が書かれています。

通常、推薦文や著者紹介文はタイトルページに近いところか、目次に近いところにあるのが多いと思います。あるいは「帯」に書くとか。

しかし、この本では裏表紙に推薦文があり、しかも表紙に使っても良いような関氏の写真とともに推薦者の
佐伯恒夫氏の写真と推薦文が載っていますので、読者の興味はスムーズに本文内容に移るように思われます。

裏表紙の下方の関氏の写真は「帯」の部分に印刷されていますが、その「帯」をめくるとさらに「喜びと苦しみの織りなす天体発見の感動のドラマ」の文字。

もう一度、表紙に戻って「帯」の文を読むと「18歳の高校生が、本田彗星に刺激されて・・・・(以下略)」となっていて、なかなか本文までに進めません。

表紙デザイン、裏表紙の写真と推薦文、帯の文面を何度も読み返し、本文内容のイメージを膨らませながら、おもむろにページを開くと・・・・。
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