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内村鑑三の星の楽しみ(その4)

昨晩から続いた雨は昼過ぎに上がったものの日差しは弱く、寒い一日となりました。実家の近くにあるイチョウの大木もここ数日で色づき始めたようです。

画面の左側が南ですが、イチョウの木も左側のほうが黄葉が進んでいます。これから急速に黄色味を帯びてゆくことでしょう。撮影日は昨日(11月22日)です。
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さて、内村日記。書き写していると切りがありませんが、せっかくここまで転記してきたので最後まで続けます。

1920年4月23日/「会員多数の故を以て星之友会を男女二組に分ち、昨夜は男子部の、今夜は女子部の講演会を開いた」/講師は井上四郎と内村鑑三の二名。講演後、一同屋外で星空観望。

4月30日/「夜の星之友会に於て余は牧夫座のアルクツラス星(大角)に就て語った」

5月5日/「五月号雑誌の校正を終った、一安心である、天文書を引出して十数頁を読み、頭脳の洗濯を為した」

5月14日/「夜の星之友会に於て余は処女座の主星スパイカ(穂星)に就て話した、アラビア人は之をAl Zimachと呼んだ、「枝」の意である」

6月9日/「在加洲(カリフォルニア)バークレー(加洲大学所在地)山崎正光君より左の如き興味ある通信があった」/このあと、手紙の全文を転記している。内容は山崎氏が天文の研究を始めるきっかけとなったできごとや、リック天文台での研究、反射望遠鏡を自作したことなど。

6月25日/「夜星之友会に於て余は天琴座の主星に就て語った」

7月2日/「夜星之友会の懇親会を開いた、会する者三十人、信仰と天文とに就て語った、之にて先づ天然研究の有益なる三箇月を終った」

8月24日/「白鳥座の西北部、琴座とケフェウス座との間に新星が現はれた、立派なる二等星である」

8月327日/「東京天文台井上四郎氏の訪問を受けた、氏の談話に照らして見て這回(このたび)白鳥座に現はれし新星発見者の名誉は僅少の注意で余に落ちたのであった事が判明って残念であった」

10月4日/「丸善にて冬帽子一箇と天文書一冊を買求め」

10月9日/「昨夜今井館に於て今秋第一回の星之友会の会合を開いた、来会者老若男女七十人あまり、盛会であった」

11月26日/「此日より星之友会に於て毎会三十分位ゐづゝ「聖書の天文学」に就て講ずる事にした」

12月2日/「過る一年間余り熱心に天を覗きし事が今回の疲労を来たせし一の原因である事が判明して甚だ済まなく感ずる」

12月10日/「夜星之友会に於て松隈理学士の宇宙二大星流説に関する講義があった、和蘭天文学者カプタイン氏の唱へし所であって実に壮大を極むる者である」

1921年1月3日/年賀客を数名記しているが、そのなかに「天文学者の井上四郎君」とある。

2月18日/「夜の星之友会に於て螺旋形星雲の説明を聞いた、此等は多分宇宙以外の宇宙ならんとの事である」

6月11日/星之友会会員と思われる女性からの手紙を転記。インド洋上にて見た南十字星やさそり座の星々について書かれている。

続きます。
by iruka-boshi | 2011-11-23 20:00 | 星の本・資料 | Comments(0)